FIRE達成!マレーシアでの生活日記

2024年3月にマレーシアに移住しました。子供2人をインターに通わせてFIRE生活を送ってます。

政治の市場経済への介入

以前もブログに書いた通り、自分は大学で経済学専攻だった。優秀な学生ではなかったけれど、今の自分の考えの一部は経済学の理論がベースになっている。市場経済自由貿易は現実経済にもベネフィットをもたらすと考えている。

malaysiaijyuu.hatenablog.com

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最近の情勢を見ていると、政治が市場経済に過度に介入する事象が増えており懸念を強めている。

1、新日鉄によるUSスチールの買収

昨年来、新日鉄が米国の鉄鋼最大手USスチールを買収しようと仕掛けている。

新日鉄側はUSスチールの競争力を高め、結果として株価上昇をもたらして株主や労働者に多大な恩恵を与えることができると自信を深めている。労働組合は反発しているものの、この新日鉄の提案を米国で歓迎する声も少なくはない。

しかし、USスチールの本社はペンシルバニア州ピッツバーグにある。ペンシルバニア州は大統領選の激戦区として知られている。そのため現地投票者の意向や心理的影響を踏まえ、共和党民主党はこの買収案に反対をしている。

数日前のニュースでは日鉄による買収提案は対米外国投資委員会の審査対象となっており、バイデン大統領は委員会の決定が伝えられ次第、阻止する計画だという。

1つのM&A事案が政治と選挙のネタとして利用されてしまった。この買収阻止が中長期的な視野に立って米国民のために本当になるのか、この点をきちんと考えてもらいたい。大統領令で阻止されるなら残念でならない。

 

2、FRBの独立性排除

深刻なインフレに見舞われた1960年代、70年代を経験した中央銀行の多くは、政治的な干渉を受けずに金利水準を定めて金融政策決定を行う裁量余地の拡大を求めて勝ち取った。

一方で2008年の金融危機や昨今の各地での高インフレを受けて中央銀行の独立性について疑問視する声が聞かれるようになった。

そして今、米国では金融政策を担う米連邦準備理事会(FRB)の独立性を維持するかが大統領選の争点の1つになりつつある。

トランプ陣営の共和党は大統領が金融政策に発言権を持つべきだと主張する。一方の民主党の大統領候補に指名されたハリス副大統領は現状維持を強く訴えている。

FRBの使命は適度な金利を維持しながら完全雇用と物価安定を追求すること。結局、中央銀行の判断で金融政策が上手く機能して低失業率と適度なインフレを維持出来るなら政治家は黙っているし、失敗すれば介入の話が出てくる。

中央銀行は金融に精通したプロフェッショナル集団であり、政治家とは通常バックグラウンドが異なる。自分は就職活動時代に日本銀行にもアプライして面接を受けたけど、自分が行くべき場所ではなかった。好きな経済理論は何かとか聞かれたな…大学同期ではやはり勉学面で優秀な学生が日銀から内定をもらっていた。その後、海外でも何人かの日銀マンと知り合う機会があったが、皆しっかりした人だった。彼らがプロフェッショナルな視点で金融及び経済を分析して金融政策を立てることに意義があると考える。

もちろんプロフェッショナル集団だからと言って彼らが定めた金融政策が必ずワークするとは限らない。実際、米国でインフレが8%に上がるまでFRBは何をしていたんだと個人的に思うところはある。但し、様々な思惑で活動する政治家が中央銀行の役割にまで介入して政治利用することは避けてもらいたい。政治の思惑が入った形で金融政策を行うと、中央銀行の目的が達成されにくくなってしまう。

 

今回、2つの事例を挙げたが、このほかにも、中国に対する高関税の導入など、政治が市場経済自由貿易に介入する事例が増えている。

市場の失敗により政府介入が奏功するケースは確かにある。ただ今回の一連の話は市場経済自由貿易体制を歪める結果になるのではと懸念している。