日本ではアジア大会が盛り上がっているところだが、マレーシアではFIFA主催のASEANカップが話題になっている。
ASEANカップは今回インドネシアと香港に分かれて、グループリークの試合が始まったところだ。マレーシアナショナルチームも出場している。
しかし、マレーシアナショナルチームのサッカーといえば、国籍を巡る問題で話題になったばかりだ。
こうした背景もあってか、あまりマレーシアナショナルチームを応援する気にはなれない。
マレーシアでは特に2025年に帰化・heritage選手の起用が一気に進み、2026年にはさらに議論が大きくなった。
なぜ一気に増えたのか。
1. 短期間で代表を強くする方針
マレーシアは2018年に外国生まれ選手の帰化政策を導入し、代表チームの強化を進めてきた。
背景には、国内育成だけで代表を強くするには長い時間がかかる一方、帰化選手なら比較的短期間で戦力を補強できるという考えがある。
2. 2025年にheritage playerを大量に集めた
2025年には以下の7人について、「マレーシア人の祖父母がいる」という血統を根拠に代表資格を取得する動きが進んだ。
Facundo Garcés
Rodrigo Holgado
Imanol Machuca
Gabriel Palmero
João Figueiredo
Jon Irazabal
Héctor Hevel
ところが、この7人については後にFIFAが提出された祖父母の出生証明書を問題視し、7人の祖父母が実際にはマレーシア生まれではなかったとして、FAMによる書類偽造を認定した。
FIFAはFAMにCHF35万の罰金、選手には12か月の処分を科した。CASも2026年3月に処分を一部修正したものの、12か月の公式戦出場停止とFAMへの罰金は残した。
さらに2026年7月、マレーシアのEAIC(Enforcement Agency Integrity Commission)が、この7人の国籍承認プロセスに不規則・不適切な手続があったと報告している。
3. 完全な外国人とheritage
ここはマレーシア代表を見るときに重要となる。
A. Naturalised player
・元々マレーシアとの血縁がない
・マレーシアに一定期間居住
・帰化してマレーシア国籍を取得
・FIFAの代表資格条件も満たす
B. Heritage player
・外国生まれでも、親・祖父母などにマレーシアとの血縁がある
その血縁を証明してマレーシア代表になる
という違いがある。
2025年10月時点で、マレーシア内務相は2018年以降、サッカー選手23人に帰化によるマレーシア国籍を与えたと説明している。
そして2026年には、ブラジル生まれのBergson da Silvaについて、マレーシアで5年間居住したことを基礎に帰化して代表資格を得るケースも出ている。FIFAは2026年9月にBergsonとBrad Tappの代表資格を承認した。
こうして問題を見ていくと、日本でも呂比須ワグナーや三都主アレサンドロなど外国出身の選手が日本代表として活躍したケースを思い出す。
外国人選手を代表強化のために国籍取得させるという意味では日本もマレーシアと共通している。
但し、呂比須、三都主は日本社会・日本サッカー界にかなり長く根付いてから代表になったという点が大きな違いとなる。
三都主は15歳から日本で育っている。
そのため、日本の帰化選手=最近のマレーシアのような選手と一括りにはできない。
Herritage Player、少年期からなど長期に渡って当該国で生活したプレイヤーが帰化するのは受け入れられる。
ただ、数年間のプロクラブチームでの生活で当該国の代表になったプレイヤーが多くなるのは残念に感じる。書類の偽造などもっての他だ。
ラグビーなどサッカー以上にナショナルチームの多国籍化が進んでいるスポーツもある。
ただ自分の好きなサッカーはもう少し国籍に対して厳しくあって欲しいなと個人的には感じている。