マンキューの経済学、あらためて読むと面白さが発見できます。大学時代には分からないことも、社会人になると別の見方ができるようになったからでしょう。
経済学の学習、研究は様々な側面を持っているが、経済学はいくつかの中心となる考え方によって統合されている。これが経済学の十大原理である。
1、人々はトレードオフに直面している
自分の好きな何かを得るためには、大抵別の何か好きなものをあきらめなければならない。意思決定とは、1つの目標と別の目標との間のトレードオフを意味する。
2、あるものの費用は、それを得るために放棄したものの価値である
トレードオフに直面する時、意思決定にあたっては、様々な行動の費用と比較する。しかし、1つの行動に伴う費用は想像以上に不明確である。あるものを獲得するために放棄したものは機会費用と呼ぶ。
3、合理的な人々は限界原理に基づいて考える
合理的な人々は、自分の目的を達成するために、与えられた条件のもとで手立てを整えてベストを尽くす。限界的な便益が限界的な費用を上回ったときのみその行動を選択する。
4、人々は様々なインセンティブに反応する
価格が消費者と生産者の行動に及ぼす影響が市場経済で資源がどう配分されるか左右する。
5、取引はすべての人々をより豊かにする
二国間の貿易は両方の国をより豊かにする。
6、通常、市場は経済活動を組織する良策である
家計と企業は市場で相互に影響しあっており、市場にて価格と自らの利益が意思決定を導いている。
7、政府が市場のもたらす成果を改善できることもある
環境汚染や市場支配力により見えざる手が効率的に働かないこともある。
8、一国の生活水準は、財サービスの生産能力に依存している
国や時代による生活水準の大きな格差や変化は各国の生産性の相違によって説明できる。
9、政府が紙幣を印刷しすぎると物価が上昇する
大幅で持続的なインフレの大半の原因は貨幣供給量の増大である
10、社会はインフレと失業の短期的トレードオフに直面している
フィリップス曲線。金融政策及び財政政策で総需要曲線をシフトさせる。